(PHP 4, PHP 5, PHP 7, PHP 8)
foreach
は、配列を反復処理するための便利な方法です。
foreach
が使えるのは配列とオブジェクトだけであり、
別のデータ型や初期化前の変数に対して使うとエラーになります。
この構造には二種類の構文があります。
foreach (iterable_expression as $value) 文 foreach (iterable_expression as $key => $value) 文
最初の形式は、iterable_expression
で指定した反復可能な値に
関してループ処理を行います。各反復において現在の要素の値が
$value
に代入されます。
2番目の形式は、さらに各反復で現在の要素のキーを変数
$key
に代入します。
foreach
は、
current() や
key()
のような関数で使われる、内部的な配列のポインタを変更しない点に注意して下さい。
オブジェクトの反復処理をカスタマイズ することもできます。
ループの中で配列の要素を直接変更したい場合は、
$value
の前に & をつけます。こうすると、変数には
リファレンス
が代入されることになります。
<?php
$arr = array(1, 2, 3, 4);
foreach ($arr as &$value) {
$value = $value * 2;
}
// $arr は array(2, 4, 6, 8) となります
unset($value); // 最後の要素への参照を解除します
?>
foreach
ループを終えた後でも、
$value
は配列の最後の要素を参照したままとなります。
unset() でその参照を解除しておくようにしましょう。
さもないと、次のような目に遭うことになるでしょう。
<?php
$arr = array(1, 2, 3, 4);
foreach ($arr as &$value) {
$value = $value * 2;
}
// この時点で、$arr は array(2, 4, 6, 8) となります
// unset($value) しなければ、$value は今でも最後の要素 ($arr[3]) を指したままです
foreach ($arr as $key => $value) {
// $arr[3] が、$arr の各要素で上書きされて...
echo "{$key} => {$value} ";
print_r($arr);
}
// ...つまり、二番目から最後までの値が最後の値にコピーされていきます
// 出力
// 0 => 2 Array ( [0] => 2, [1] => 4, [2] => 6, [3] => 2 )
// 1 => 4 Array ( [0] => 2, [1] => 4, [2] => 6, [3] => 4 )
// 2 => 6 Array ( [0] => 2, [1] => 4, [2] => 6, [3] => 6 )
// 3 => 6 Array ( [0] => 2, [1] => 4, [2] => 6, [3] => 6 )
?>
配列定数の値を、参照によって反復処理させることもできます。
<?php
foreach (array(1, 2, 3, 4) as &$value) {
$value = $value * 2;
}
?>
注意:
foreach
は、@
によりエラーメッセージ出力を抑制する機能をサポートしていません。
使用法を示すためにその他の例を示します。
<?php
/* foreach の例 1: 値のみ */
$a = array(1, 2, 3, 17);
foreach ($a as $v) {
echo "Current value of \$a: $v.\n";
}
/* foreachの例2: 値 (説明用に、手動でアクセスする際の表記を出力) */
$a = array(1, 2, 3, 17);
$i = 0; /* 説明用 */
foreach ($a as $v) {
echo "\$a[$i] => $v.\n";
$i++;
}
/* foreachの例3: キーと値 */
$a = array(
"one" => 1,
"two" => 2,
"three" => 3,
"seventeen" => 17
);
foreach ($a as $k => $v) {
echo "\$a[$k] => $v.\n";
}
/* foreach の例4: 多次元配列 */
$a = array();
$a[0][0] = "a";
$a[0][1] = "b";
$a[1][0] = "y";
$a[1][1] = "z";
foreach ($a as $v1) {
foreach ($v1 as $v2) {
echo "$v2\n";
}
}
/* foreach の例5: 動的配列 */
foreach (array(1, 2, 3, 4, 5) as $v) {
echo "$v\n";
}
?>
(PHP 5 >= 5.5.0, PHP 7, PHP 8)
配列の配列の反復処理を行うこともできます。 値として list() を渡すと、 ネストした配列をループ変数に展開できます。
例を示します。
<?php
$array = [
[1, 2],
[3, 4],
];
foreach ($array as list($a, $b)) {
// $a にはネストした配列の最初の要素が含まれ、
// $b には二番目の要素が含まれます。
echo "A: $a; B: $b\n";
}
?>
上の例の出力は以下となります。
A: 1; B: 2 A: 3; B: 4
list() で指定する要素数を、ネストした配列の要素数より少なくしてもかまいません。 その場合は、配列の残りの要素は無視されます。
<?php
$array = [
[1, 2],
[3, 4],
];
foreach ($array as list($a)) {
// $b を指定していないことに注目。
echo "$a\n";
}
?>
上の例の出力は以下となります。
1 3
list() で指定した変数を埋めるだけの要素が足りないときには、notice が発生します。
<?php
$array = [
[1, 2],
[3, 4],
];
foreach ($array as list($a, $b, $c)) {
echo "A: $a; B: $b; C: $c\n";
}
?>
上の例の出力は以下となります。
Notice: Undefined offset: 2 in example.php on line 7 A: 1; B: 2; C: Notice: Undefined offset: 2 in example.php on line 7 A: 3; B: 4; C: