18.9. mmap
--- メモリマップファイル¶
メモリにマップされたファイルオブジェクトは、 bytearray
と ファイルオブジェクト の両方のように振舞います。しかし通常の文字列オブジェクトとは異なり、これらは可変です。 bytearray
が期待されるほとんどの場所で mmap オブジェクトを利用できます。例えば、メモリマップファイルを探索するために re
モジュールを使うことができます。それらは可変なので、 obj[index] = 97
のように文字を変換できますし、スライスを使うことで obj[i1:i2] = b'...'
のように部分文字列を変換することができます。現在のファイル位置をデータの始めとする読込みや書込み、ファイルの異なる位置へ seek()
することもできます。
メモリマップドファイルは Unix と Windows で異なる mmap
コンストラクタで生成されます。どちらの場合も、更新用に開かれたファイルディスクリプタを渡さなければなりません。既存の Python ファイルオブジェクトをマップしたければ、 fileno()
メソッドを使って fileno パラメータの正しい値を取得してください。そうでなければ、 os.open()
関数を使ってファイルを開けます。この関数はファイルディスクリプタを直接返します(処理が終わったら、やはりファイルを閉じる必要があります)。
注釈
書き込み可能でバッファされたファイルへのメモリマップファイルを作りたいのであれば、まず最初にファイルの flush()
を呼び出すべきです。これはバッファへのローカルな修正がマッピングで実際に利用可能になることを保障するために必要です。
Unix バージョンと Windows バージョンのどちらのコンストラクタについても、オプションのキーワード・パラメータとして access を指定することになるかもしれません。 access は3つの値の内の1つを受け入れます。 ACCESS_READ
は読み出し専用、 ACCESS_WRITE
は書き込み可能、 ACCESS_COPY
はコピーした上での書き込みです。 access は Unix と Windows の両方で使用することができます。 access が指定されない場合、 Windows の mmap は書き込み可能マップを返します。 3つのアクセス型すべてに対する初期メモリ値は、指定されたファイルから得られます。 ACCESS_READ
型のメモリマップに対して書き込むと TypeError
例外を送出します。 ACCESS_WRITE
型のメモリマップへの書き込みはメモリと元のファイルの両方に影響を与えます。 ACCESS_COPY
型のメモリマップへの書き込みはメモリに影響を与えますが、元のファイルを更新することはありません。
無名メモリ(anonymous memory)にマップするためには fileno として -1 を渡し、length を与えてください。
-
class
mmap.
mmap
(fileno, length, tagname=None, access=ACCESS_DEFAULT[, offset])¶ (Windows バージョン) ファイルハンドル fileno によって指定されたファイルから length バイトをマップして、 mmap オブジェクトを生成します。 length が現在のファイルサイズより大きな場合、ファイルサイズは length を含む大きさにまで拡張されます。 length が
0
の場合、マップの最大の長さは現在のファイルサイズになります。ただし、ファイル自体が空のときは Windows が例外を送出します (Windows では空のマップを作成することができません)。tagname は、
None
以外で指定された場合、マップのタグ名を与える文字列となります。 Windows は同じファイルに対する様々なマップを持つことを可能にします。既存のタグの名前を指定すればそのタグがオープンされ、そうでなければこの名前の新しいタグが作成されます。もしこのパラメータを省略したりNone
を与えたりしたならば、マップは名前なしで作成されます。タグ・パラメータの使用の回避は、あなたのコードを Unix と Windows の間で移植可能にしておくのを助けてくれるでしょう。offset は非負整数のオフセットとして指定できます。 mmap の参照はファイルの先頭からのオフセットに相対的になります。 offset のデフォルトは 0 です。 offset は ALLOCATIONGRANULARITY の倍数でなければなりません。
-
class
mmap.
mmap
(fileno, length, flags=MAP_SHARED, prot=PROT_WRITE|PROT_READ, access=ACCESS_DEFAULT[, offset]) (Unix バージョン) ファイルディスクリプタ fileno で指定されたファイルから length バイトをマップし、mmap オブジェクトを返します。length が
0
の場合、マップの最大の長さはmmap
が呼ばれた時点でのファイルサイズになります。flags はマップの種類を指定します。
MAP_PRIVATE
はプライベートな copy-on-write(書込み時コピー)のマップを作成します。従って、mmap オブジェクトの内容への変更はこのプロセス内にのみ有効です。MAP_SHARED
はファイルの同じ領域をマップする他のすべてのプロセスと共有されたマップを作成します。デフォルトはMAP_SHARED
です。prot が指定された場合、希望のメモリ保護を与えます。 2つの最も有用な値は、
PROT_READ
とPROT_WRITE
です。これは、読込み可能または書込み可能を指定するものです。 prot のデフォルトはPROT_READ | PROT_WRITE
です。access はオプションのキーワード・パラメータとして、 flags と prot の代わりに指定してもかまいません。 flags, prot と access の両方を指定することは間違っています。このパラメータの使用法についての情報は、先に述べた access の記述を参照してください。
offset は非負整数のオフセットとして指定できます。 mmap の参照はファイルの先頭からのオフセットに相対的になります。 offset のデフォルトは 0 です。 offset は PAGESIZE または ALLOCATIONGRANULARITY の倍数でなければなりません。
Mac OS X と OpenVMS において、作成された memory mapping の正当性を確実にするために fileno で指定されたファイルディスクリプタは内部で自動的に物理的なストレージ (physical backing store) と同期されます。
この例は
mmap
の簡潔な使い方を示すものです:import mmap # write a simple example file with open("hello.txt", "wb") as f: f.write(b"Hello Python!\n") with open("hello.txt", "r+b") as f: # memory-map the file, size 0 means whole file mm = mmap.mmap(f.fileno(), 0) # read content via standard file methods print(mm.readline()) # prints b"Hello Python!\n" # read content via slice notation print(mm[:5]) # prints b"Hello" # update content using slice notation; # note that new content must have same size mm[6:] = b" world!\n" # ... and read again using standard file methods mm.seek(0) print(mm.readline()) # prints b"Hello world!\n" # close the map mm.close()
mmap
can also be used as a context manager in awith
statement.:import mmap with mmap.mmap(-1, 13) as mm: mm.write(b"Hello world!")
バージョン 3.2 で追加: コンテキストマネージャのサポート。
次の例では無名マップを作り親プロセスと子プロセスの間でデータのやりとりをしてみせます:
import mmap import os mm = mmap.mmap(-1, 13) mm.write(b"Hello world!") pid = os.fork() if pid == 0: # In a child process mm.seek(0) print(mm.readline()) mm.close()
メモリマップファイルオブジェクトは以下のメソッドをサポートしています:
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close
()¶ メモリマップファイルを閉じます。この呼出しの後にオブジェクトの他のメソッドの呼出すことは、
ValueError
例外の送出を引き起こします。このメソッドは開いたファイルのクローズはしません。
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closed
¶ ファイルが閉じている場合
True
となります。バージョン 3.2 で追加.
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find
(sub[, start[, end]])¶ オブジェクト内の [start, end] の範囲に含まれている部分シーケンス sub が見つかった場所の最も小さいインデックスを返します。オプションの引数 start と end はスライスに使われるときのように解釈されます。失敗したときには
-1
を返します。バージョン 3.5 で変更: 書き込み可能な bytes-like object を使用できるようになりました。
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flush
([offset[, size]])¶ ファイルのメモリコピー内での変更をディスクへフラッシュします。この呼出しを使わなかった場合、オブジェクトが破壊される前に変更が書き込まれる保証はありません。もし offset と size が指定された場合、与えられたバイトの範囲の変更だけがディスクにフラッシュされます。指定されない場合、マップ全体がフラッシュされます。
(Windows バージョン) ゼロ以外の値が返されたら成功を、ゼロは失敗を意味します。
(Unix バージョン) ゼロの値が返されたら成功を意味します。呼び出しが失敗すると例外が送出されます。
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move
(dest, src, count)¶ オフセット src から始まる count バイトをインデックス dest の位置へコピーします。もし mmap が
ACCESS_READ
で作成されていた場合、TypeError
例外を発生させます。
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read
([n])¶ 現在のファイル位置からの最大 n バイトを含む
bytes
を返します。引数が省略されるか、None
もしくは負の値が指定された場合、現在のファイル位置からマップ終端までの全てのバイト列を返します。ファイル位置は返されたバイト列の直後を指すように更新されます。バージョン 3.3 で変更: 引数が省略可能になり、
None
も受け付けるようになりました。
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read_byte
()¶ 現在のファイル位置のバイトを整数値として返し、ファイル位置を 1 進めます。
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readline
()¶ 現在のファイル位置から次の改行までの、1行を返します。
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resize
(newsize)¶ マップと元ファイル(がもしあれば)のサイズを変更します。もし mmap が
ACCESS_READ
またはACCESS_COPY
で作成されたならば、マップサイズの変更はTypeError
例外を発生させます。
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rfind
(sub[, start[, end]])¶ オブジェクト内の [start, end] の範囲に含まれている部分シーケンス sub が見つかった場所の最も大きいインデックスを返します。オプションの引数 start と end はスライスに使われるときのように解釈されます。失敗したときには
-1
を返します。バージョン 3.5 で変更: 書き込み可能な bytes-like object を使用できるようになりました。
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seek
(pos[, whence])¶ ファイルの現在位置をセットします。 whence 引数はオプションであり、デフォルトは
os.SEEK_SET
つまり0
(絶対位置)です。その他の値として、os.SEEK_CUR
つまり1
(現在位置からの相対位置)とos.SEEK_END
つまり2
(ファイルの終わりからの相対位置)があります。
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size
()¶ ファイルの長さを返します。メモリマップ領域のサイズより大きいかもしれません。
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tell
()¶ ファイルポインタの現在位置を返します。
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write
(bytes)¶ メモリ内のファイルポイントの現在位置に bytes のバイト列を書き込み、書き込まれたバイト数を返します(もし書き込みが失敗したら
ValueError
が送出されるため、len(bytes)
より少なくなりません)。ファイル位置はバイト列が書き込まれた位置に更新されます。もしmmapが:const:ACCESS_READ とともに作成されていた場合は、書き込みはTypeError
例外を送出するでしょう。バージョン 3.5 で変更: 書き込み可能な bytes-like object を使用できるようになりました。
バージョン 3.6 で変更: 書きこまれたバイト数を返すようになりました。
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