さくらのモノプラットフォームとは¶
[更新: 2021年7月9日]
さくらのモノプラットフォームは、さくらインターネット株式会社が提供する「使いやすく」「安心で」「リーズナブルな」IoT(Internet of Things:モノのインターネット)向けのプラットフォームサービスです。
IoTの構成要素は「IoTデバイス」「通信モジュール」といった【モノ】からはじまり、「バックエンドシステム」「フロントエンドシステム」「クライアントアプリ」といった【アプリケーション】、 さらにはそれらにまたがる「管理」や「セキュリティ」といった【運用・保守】など多岐にわたります。
そのため、IoTサービスを実現するためには、多様なスキルを持ち合わせる企業または個人との連携が必須です。 さくらのモノプラットフォームは、特に複数社が絡むケースにおいて責任者が曖昧になりがちな「通信モジュールからバックエンドシステムまでの環境」と そこに必要となる「運用保守の機能」を“月額サービス”として提供することで、開発における負担を大幅に軽減し、効率的かつセキュアな運用に貢献します。
市場におけるIoT¶
古くはユビキタスネットワークから始まり、M2M(Machine to Machine)、Industory4.0、CPS(Cyber Physical System)など、IoTという言葉が掲げられる以前よりモノとアプリケーションを繋ぎ、自動化やデータ活用といった利便性を高める取り組みが進められていました。
しかし、実際にそれらを進めているのは官学や世界の中でもリーディングカンパニーと呼ばれるような企業を中心に行われ、一般に広く使われるには至っていません。
その背景として、IoTサービスを実現するための技術面とビジネス面、それぞれの課題を解消できていないためだと考えています。
1. IoTにおける技術課題¶
本来、IoTであるモノとアプリケーションを実現するためにはいくつもの技術要素を必要とします。それぞれの独立した技術要素に加え、セキュリティや管理といったサービス全体を横断する要素もあります。
特にその中でも通信モジュール~回線~バックエンドサービス間の構成は既存のナレッジやリファレンスが少なく、各社が独自に検討および技術選定を行い、サービスに仕立てているのが現状です。

2. IoTにおけるビジネス課題¶
さらに、複数の技術要素はサービスの開発だけなくマネタイズも複雑にします。企画側も今までの実績や市場感といった経験値が通用せず、自社内で想定以上の学習コストがかかってしまったり、場合によっては一部の要素についてアウトソーシングを行う必要も出てきてしまいます。
結果として試作段階でのコストがかさみ、サービス化に至る前に企画倒れとなってしまうケースも多いかと思われます。

IoTの「リファレンスモデル」¶
さくらインターネットでは前述の課題を解決する手段としてのIoTを「より小さく試せること」、「より早く市場に投入できること」、そして誕生したサービスが「ユーザー拡大にも対応できるスケーラビリティを持つこと」ができるリファレンスモデルが必要であると考えました。
1. さくらのモノプラットフォームの全体構成¶
さくらのモノプラットフォームは大きく分けて「IoTクラウドコア」「IoTクラウドサービス」「設計情報」の3つの要素に分けることができます。
これらの要素を一つのサービスとしてご提供することで、IoTにおける企画や開発の手間を削減し、サービス化を支援できるようにします。

2. IoTクラウドコア¶
IoTクラウドコアはまさにIoTのコアとなるデバイスからクラウドへの橋渡しまでを担う機能群です。デバイス側との接続を提供する「デバイスアダプタ」、外部のサービスとの接続を提供する「サービスアダプタ」、登録や認証を提供する「デバイス管理機能」、そしてそれらの設定や参照を提供する「コントロールパネル/API」で構成されています。
デバイスアダプタはデバイスからIoTクラウドコアの接続点となる機能であり、HTTP等の汎用的なプロトコルや効率性を高めた独自のプロトコルごとの接続を提供します。
サービスアダプタはインターネット側に用意されたサービスからIoTクラウドコアの接続点となる機能であり、WebSocketやHTTPといったプロトコルを介し、JSONデータでデバイスとの送受信を提供します。
デバイス管理機能は接続されたデバイスがどのサービスアダプタおよび後述するIoTクラウドサービスを利用するかの認証や管理を提供します。
コントロールパネル/APIは上記の3つをGUIおよびRestAPIによる管理を提供します。
なお、IoTクラウドコアのこれらの機能はサービスアダプタを除いて基本料金の中に含まれています。
3. IoTクラウドサービス¶
IoTクラウドサービスはお客様が開発するIoTサービスの価値をより高めたりより素早く構築するための機能群です。
お客様自身の必要に合わせて追加で利用することができます。一部の機能ではデバイス側のプログラム等での対応が必要となる場合があります。