MSGGET

Section: Linux Programmer's Manual (2)
Updated: 2019-08-02
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名前

msgget - System V メッセージキュー識別子を取得する  

書式

#include <sys/types.h>
#include <sys/ipc.h>
#include <sys/msg.h>

int msgget(key_t key, int msgflg);
 

説明

The msgget() system call returns the System V message queue identifier associated with the value of the key argument. It may be used either to obtain the identifier of a previously created message queue (when msgflg is zero and key does not have the value IPC_PRIVATE), or to create a new set.

key の値が IPC_PRIVATE の場合、または keyIPC_PRIVATE でなくても、 key に対応するメッセージキューが存在せず、 msgflgIPC_CREAT が指定されている場合、 新しいメッセージキューが作成される。

msgflgIPC_CREATIPC_EXCL の両方が指定された場合、 key に対応するメッセージキューが既に存在すると、 msgget() は失敗し、 errnoEEXIST が設定される。 (これは open(2) に O_CREAT | O_EXCL を指定した場合の動作と同じである)

メッセージキューの作成時に、 msgflg 引数の下位 9 ビットは、 そのメッセージキューのアクセス許可の定義として使用される。 これらの許可ビットは open(2) の引数 mode と同じ形式で同じ意味である。 や creat(2) システムコールのアクセス許可パラメーターと同じ形式で、同じ意味を持つ。 (但し、実行 (execute) 許可は使用されない。)

新規のメッセージキューを作成する際、 msgget() システムコールはメッセージキューのデータ構造体 msqid_ds を以下のように初期化する (msqid_ds については msgctl(2) を参照):

msg_perm.cuidmsg_perm.uid に呼び出し元プロセスの実効 (effective) ユーザーID を設定する。
msg_perm.cgidmsg_perm.gid に呼び出し元プロセスの実効 (effective) グループID を設定する。
msg_perm.mode の下位 9 ビットは msgflg の下位 9 ビットを設定する。
msg_qnum, msg_lspid, msg_lrpid, msg_stime, msg_rtime に 0 を設定される。
msg_ctime に現在の時刻を設定する。
msg_qbytes に、システムで決められたメッセージキューの最大サイズ MSGMNB を設定する。

メッセージキューがすでに存在する場合は、アクセス許可の検査と、 破棄 (destruction) マークがないかの確認が行われる。  

返り値

成功した場合、返り値はメッセージキュー識別子 (非負の整数) となる。 失敗した場合は -1 が返され、 errno にそのエラーが示される。  

エラー

失敗した場合、 errno に以下の値のいずれか一つが設定される:
EACCES
A message queue exists for key, but the calling process does not have permission to access the queue, and does not have the CAP_IPC_OWNER capability in the user namespace that governs its IPC namespace.
EEXIST
msgflgIPC_CREATIPC_EXCL が指定されたが、 key に対応するメッセージキューがすでに存在する。
ENOENT
key に対応するメッセージキューが存在せず、 msgflgIPC_CREAT が指定されていなかった。
ENOMEM
メッセージキューを作成しようとしたが、新しいデータ構造体を作成 するのに十分なメモリーがシステムに存在しない。
ENOSPC
メッセージキューを作成しようとしたが、作成すると システム全体のメッセージキュー数の最大値 (MSGMNI) を超えてしまう。
 

準拠

POSIX.1-2001, POSIX.1-2008, SVr4.  

注意

Linux や POSIX の全てのバージョンでは、 <sys/types.h><sys/ipc.h> のインクルードは必要ない。しかしながら、いくつかの古い実装ではこれらのヘッダーファイルのインクルードが必要であり、 SVID でもこれらのインクルードをするように記載されている。このような古いシステムへの移植性を意図したアプリケーションではこれらのファイルをインクルードする必要があるかもしれない。

IPC_PRIVATE はフラグではなく、 key_t 型である。 この特別な値が key として使用された場合、 msgget() システムコールは msgflg の下位 9 ビット以外の全てを無視して (成功した場合は) 新しいメッセージキューを作成する。

msgget() システムコールに影響を及ぼすメッセージキューの資源の システムとしての制限を以下に示す:

MSGMNI
System-wide limit on the number of message queues. Before Linux 3.19, the default value for this limit was calculated using a formula based on available system memory. Since Linux 3.19, the default value is 32,000. On Linux, this limit can be read and modified via /proc/sys/kernel/msgmni.
 

Linux での注意

Linux 2.3.20 までは、削除が予定されているメッセージキューに対して msgget() を行うと EIDRM がエラーとして返されるようになっていた。  

バグ

IPC_PRIVATE という名前を選んだのはおそらく失敗であろう。 IPC_NEW の方がより明確にその機能を表しているだろう。  

関連項目

msgctl(2), msgrcv(2), msgsnd(2), ftok(3), capabilities(7), mq_overview(7), sysvipc(7)  

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

関連キーワード

メッセージキュー, key, msgflg, 設定, msgget, 作成, MSGGET, 存在, sys, perm

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