注: このシステムコールには glibc のラッパー関数は存在しない。「注意」の節を参照。
pivot_root() の典型的な利用法は、システムの起動中にシステムが一時的な root ファイルシステム (例えば initrd) をマウントし、これに続いて本当の root ファイルシステムをマウントし、 後者を必要な全てのプロセス・スレッドの カレント root に変更するような場合である。
古い root ディレクトリを使っていた全てのプロセスやスレッドの カレント root とカレントワーキングディレクトリを、 pivot_root() が変更するかどうかはわからない。 pivot_root() の呼びだしプロセスは、古い root やカレントワーキングディレクトリを使っていた プロセスが、いずれの場合でも正しく動作することを保証しなければならない。 これを簡単に行うには、それらのプロセスの root と カレントワーキングディレクトリを pivot_root() を呼び出す前に new_root に変更しておくことである。
上記の段落は、将来 pivot_root() が変更されるかも知れないことを鑑みて、わざと曖昧に書いてある。 本ページを記述している時点では、 pivot_root() は古い root ディレクトリを用いている全てのプロセス・スレッドの root と カレントワーキングディレクトリを new_root に変更する。これはカーネルのスレッドが古い root ディレクトリを busy 状態にしないために必要である。これらのスレッドが 古いディレクトリを root やカレントワーキングディレクトリとしていると、 ファイルシステムに一切アクセスしない場合でも 古い root が busy になってしまうからである。 将来は、カーネルスレッドがあらゆるファイルシステムへのアクセスを 明示的に放棄するメカニズムができ、このでしゃばりな機能は pivot_root() から削除されるかもしれない。
これは呼び出し元のプロセスについても当てはまることに注意。 pivot_root() がカレントプロセスのカレントワーキングディレクトリに影響するかどうかは 分からない。したがって pivot_root() の直後に chdir("/") を呼び出すとよい。
new_root および put_old には以下の制限がある:
利用例については pivot_root(8) を参照のこと。
現在の root がマウントポイントではない (chroot(2) や pivot_root() の後など。以下も参照) 場合、 古い root ディレクトリではなく、 そのファイルシステムのマウントポイントが put_old にマウントされる。
new_root はマウントポイントでなくてもよい。 この場合 /proc/mounts は、 new_root を root (/) とするファイルシステムのマウントポイントを表示する。
pivot_root() の使い方がもうちょっと曖昧になると、 あっという間にわけのわからない状態になってしまうだろう
[man1]
[man2]
[man3]
[man4]
[man5]
[man6]
[man7]
[man8]
[a]
[b]
[c]
[d]
[e]
[f]
[g]
[h]
[i]
[j]
[k]
[l]
[m]
[n]
[o]
[p]
[q]
[r]
[s]
[t]
[u]
[v]
[w]
[x]
[y]
[z]