REALPATH
Section: Linux Programmer's Manual (3)
Updated: 2017-09-15
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名前
realpath - 正規化された絶対パス名を返す
書式
#include <limits.h>
#include <stdlib.h>
char *realpath(const char *path, char *resolved_path);
glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照):
realpath():
- _XOPEN_SOURCE >= 500
|| /* glibc 2.19 以降: */ _DEFAULT_SOURCE
|| /* glibc 2.19 以前: */ _BSD_SOURCE
説明
realpath() は path として与えられたヌル終端された文字列中の すべてのシンボリックリンクを展開し、 /./, /../ による参照や余分な '/' を解決して、正規化された絶対パス名を生成する。 得られた絶対パス名は、最大で PATH_MAX バイトのヌル終端された文字列として、 resolved_path により参照されるバッファーに格納される。 結果として返るパスの中には、シンボリックリンクや /./, /../ といった要素は含まれない。
resolved_path に NULL が指定されると、 realpath() は malloc(3) を使って解決したパス名を保持するためのバッファーを 最大で PATH_MAX バイトまで割り当て、このバッファーへのポインターを返す。 呼び出し元は、 free(3) を使ってこのバッファーを解放すべきである。
返り値
エラーがなかった場合、 realpath() は resolved_path へのポインターを返す。
それ以外の場合は NULL が返り、配列 resolved_path の内容は不定となり、 errno にエラーの内容を示す値がセットされる。
エラー
- EACCES
- パスのディレクトリ部分に、読み出し許可または検索許可が与えられていない。
- EINVAL
- path が NULL である。 (バージョン 2.3 より前の glibc では、 resolved_path が NULL の場合にもこのエラーが返される。)
- EIO
- ファイルシステムを読むときに、I/Oエラーが起こった。
- ELOOP
- パス名の変換にあたり、解決すべきシンボリックリンクの数が多過ぎた。
- ENAMETOOLONG
- パス名の一要素の文字数が NAME_MAX を越えている、またはパス名全体の文字数が PATH_MAX を越えている。
- ENOENT
- 指定されたファイルが存在しない。
- ENOMEM
- メモリ不足。
- ENOTDIR
- パスのディレクトリ要素が、ディレクトリでない。
属性
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。
インターフェース |
属性 |
値
|
realpath() |
Thread safety |
MT-Safe
|
準拠
4.4BSD, POSIX.1-2001.
POSIX.1-2001 では resolved_path が NULL の場合の動作は実装に依存するとしている。 POSIX.1-2008 では、このマニュアルページに書かれている動作が規定されている。
注意
4.4BSD と Solaris では、パス名の長さの上限は (<sys/param.h> の中にある) MAXPATHLEN である。SUSv2 では PATH_MAX と NAME_MAX が規定されており、 これらは <limits.h> で定義されているか、 pathconf(3) 関数から得られる。以下のようなソースコードになっていることが多い。
#ifdef PATH_MAX
path_max = PATH_MAX; #else
path_max = pathconf(path, _PC_PATH_MAX);
if (path_max <= 0) path_max = 4096;
#endif
(バグの章も参照のこと。)
GNU による拡張
呼び出しが EACCES か ENOENT で失敗し resolved_path が NULL でない場合、読むことができない、もしくは存在しない path のディレクトリ要素 (prefix) が resolved_path で返される。
バグ
この関数の POSIX.1-2001 版は、設計段階から問題がある。 出力バッファー resolved_path の適切なサイズを決定することができないからである。 POSIX.1-2001 ではバッファーサイズとして PATH_MAX は十分だとされているが、 PATH_MAX は定義済の定数である必要はなく、 pathconf(3) を使って得られる値であってもよいことになっている。 pathconf(3) からバッファーサイズを取得したとしても必ずしも十分ではない。 なぜなら、POSIX で警告されているように、 pathconf(3) の返り値が大き過ぎて適切にメモリーを確保することができない かもしれない一方で、 pathconf(3) は PATH_MAX に制限がないことを示す -1 を返すかもしれないからである。 resolved_path == NULL の機能を使うと、この設計上の問題を回避することができる。 この機能は POSIX.1-2001 では標準化されていないが、 POSIX.1-2008 では標準化されている。
関連項目
realpath(1), readlink(2), canonicalize_file_name(3), getcwd(3), pathconf(3), sysconf(3)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
関連キーワード
path,
PATH,
resolved,
realpath,
パス,
pathconf,
エラー,
参照,
max,
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- 書式
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- 返り値
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- 準拠
- 注意
-
- GNU による拡張
- バグ
- 関連項目
- この文書について
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Time: 12:08:44 GMT, June 11, 2022