UDPLITE

Section: Linux Programmer's Manual (7)
Updated: 2017-09-15
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名前

udplite - 軽量なユーザーデータグラムプロトコル  

書式

#include <sys/socket.h>

sockfd = socket(AF_INET, SOCK_DGRAM, IPPROTO_UDPLITE);  

説明

これは RFC 3828 に書かれている軽量なユーザーデータグラムプロトコル (Lightweight User Datagram Protocol; UDP-Lite) の実装である。

UDP-Lite は UDP (RFC 768) の拡張で、可変長のチェックサムをサポートしている。 このプロトコルが効果を発揮するのは、少しだけ壊れたデータグラムがあった場合に、 そのデータグラムを下位レイヤーのプロトコルに廃棄させるのではなく、 それを利用することができるような、ある種のマルチメディア転送においてである。

可変長のチェックサムの対象範囲は setsockopt(2) オプション経由で設定される。 このオプションが設定されていない場合、UDP と異なるのは 違う IP プロトコル識別子 (IANA 番号 136) を使用する点だけである。

UDP-Lite の実装は udp(7) の完全な拡張、すなわち API と API の動作は同じである。 これに加えて、2 つのソケットオプションがチェックサムの対象範囲を 制御するために提供されている。  

アドレスのフォーマット

UDP-Litev4 は ip(7) で説明されている sockaddr_in アドレスを使用する。 UDP-Litev6 は ipv6(7) で説明されている sockaddr_in6 アドレスを使用する。  

ソケットオプション

UDP-Lite のソケットオプションを設定/取得するには、 オプションレベル引数に IPPROTO_UDPLITE を指定して、取得時には getsockopt(2) を、設定時には setsockopt(2) を呼び出す。さらに、全ての IPPROTO_UDP のソケットオプションが UDP-Lite ソケットでも使用できる。 詳細は udp(7) を参照のこと。

以下の 2 つが UDP-Lite に固有のオプションである。

UDPLITE_SEND_CSCOV
このオプションは送信側のチェックサムの対象範囲を設定する。 int 型を引数として取り、設定可能な値の範囲は 0 から 2^16-1 までである。
値 0 はデータグラム全体が常にチェックサムの対象となることを意味する。 値 1〜7 は不正であり (RFC 3828 の 3.1 章)、範囲の設定として最小値である 8 に切り上げられる。
IPv6 の jumbograms (巨大なデータグラム; RFC 2675) の場合には、 UDP-Litev6 のチェックサムの対象範囲は、RFC 3828 の 3.5 章にあるように、 先頭から 2^16-1 オクテットまでに限定される。 そのため、それより大きな値は 2^16-1 に黙って切り詰められる。 現在の対象範囲の値を知りたければ、いつでも getsockopt(2) を使って値を問い合わせることができる。
UDPLITE_RECV_CSCOV
これは受信側のチェックサムの対象範囲を設定するもので、 使用される引数形式と値の範囲は UDPLITE_SEND_CSCOV と同じである。 このオプションは、部分的なチェックサム対象範囲を持つトラフィックを 有効にするのに必要なわけではなく、トラフィックフィルターとして機能する。 このオプションが有効にすると、カーネルは指定されたチェックサム対象範囲 よりも「短かい」対象範囲を持つパケットを全て廃棄するようになる。
UDPLITE_RECV_CSCOV の値が実際のパケットのチェックサム対象範囲よりも大きい場合、 受信したパケットは黙って廃棄される。 ただし、システムログに対して警告メッセージが生成されるかもしれない。
 

エラー

udp(7) について書かれている全てのエラーは返る可能性がある。 UDP-Lite 自体は新たなエラーは追加していない。  

ファイル

/proc/net/snmp
UDP-Litev4 の基本的な統計情報カウンター。
/proc/net/snmp6
UDP-Litev6 の基本的な統計情報カウンター。
 

バージョン

UDP-Litev4/v6 は Linux 2.6.20 で初めて登場した。  

バグ

glibc によるサポートがない場合は、以下の定義を行う必要がある。

#define IPPROTO_UDPLITE 136 #define UDPLITE_SEND_CSCOV 10 #define UDPLITE_RECV_CSCOV 11  

関連項目

ip(7), ipv6(7), socket(7), udp(7)

RFC 3828 for the Lightweight User Datagram Protocol (UDP-Lite).

Linux カーネルソース内の Documentation/networking/udplite.txt  

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

関連キーワード

UDPLITE, 範囲, 対象, 設定, ソケット, CSCOV, IPPROTO, エラー, アドレス, define

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Time: 12:08:34 GMT, June 11, 2022