KERNELD
Section: Linux Extensions (8)
Updated: May 14, 1995
Index JM Home Page
名前
kerneld - ユーザ空間でカーネルの動作を実行する (モジュールのオンデマンドロードなど)
警告
kerneld は Linux カーネル 2.1.90 の時点で obsolete となり、 kmod カーネルスレッドと cron エントリによって置き換えられた。 2.0 カーネルを使っているのでなければ、 kerneld は使おうなどとも思わないほうがよい。
書式
kerneld [ debug ] [ keep ] [ delay=<seconds> ] [ type=<message number> ]
説明
kerneld は未使用モジュールを自動削除するほか、 専用の IPC メッセージキューを経由してカーネルからのリクエストに応答し、 カーネルの特定のタスクをユーザ空間で実行する。 ユーザ空間からこのキューへのアクセスは、 以下の操作でキューをオープンすることによって行える:
qid = msgget(IPC_PRIVATE, 0600 | IPC_KERNELD);
各タスクはメッセージタイプを使ってリクエストする。 これは <linux/kerneld.h> で指定されている。
kerneld メッセージの構造体は以下の通り。
struct kerneld_msg {
long mtype;
long id;
char text[1];
};
ここで id フィールドは kerneld
からカーネルへの応答メッセージの数として使われる。 id フィールドが 0 ならば、kerneld からの応答はないということである。
(なお、要求側の pid をプロトコルヘッダに入れる、 新しい構造体が提案されている。)
応答が求められた場合には、kerneld の動作の終了ステータスが id フィールドに格納される。
text フィールドは、特定の kerneld 動作に カーネルから渡されたパラメータを保持するために使われる。
オプションを以下に示す:
- debug
- デバッグ機能を有効にすると、タスクを実行する度に kerneld の現在のステータスを見ることができるようになる。 デバッグ機能や他の全てのパラメータの制御は kdstat ユーティリティで行える。
- keep
- keep オプションを指定すると kerneld はアンロード中のモジュールに対する全てのリクエストを無視する。 このオプションは、(何らかの理由で) モジュールがアンロードされることが全く起こらないシステムでは 役立つかもしれない。 このオプションは、毎分 (あるいは <delay> 秒ごとに) 実行される未使用のモジュールの自動削除も禁止する。
- delay=<seconds>
- delay オプションは未使用モジュールの削除に関する kerneld のタイムアウト時間を変更する。 デフォルトの 60 秒から任意の時間に変更できる。
- type=<message type>
- デフォルトのタイプは -255 である。これは、kerneld がタイプの値が 255 以下である全てのメッセージを監視するという意味である。 正の数を指定すると、kerneld は指定されたタイプのメッセージだけを監視する。
kerneld はエラーメッセージを syslog の LOG_DAEMON ファシリティに送る。
関連項目
insmod(8), rmmod(8), modprobe(8), depmod(8), syslogd(8)
履歴
kerneld のアイディアは Jacques Gelinas <jack@solucorp.qc.ca> との議論から思い付いた。
関連キーワード
kerneld,
KERNELD,
カーネル,
モジュール,
メッセージ,
応答,
delay,
タイプ,
フィールド,
実行
Linux マニュアル 一覧
[man1]
[man2]
[man3]
[man4]
[man5]
[man6]
[man7]
[man8]
[a]
[b]
[c]
[d]
[e]
[f]
[g]
[h]
[i]
[j]
[k]
[l]
[m]
[n]
[o]
[p]
[q]
[r]
[s]
[t]
[u]
[v]
[w]
[x]
[y]
[z]
Index
- 名前
- 警告
- 書式
- 説明
- 関連項目
- 履歴
This document was created by man2html, using the manual pages.
Time: 12:08:55 GMT, June 11, 2022