Network Information Service (NIS) は、 データベースとそれらを扱うプロセスとからなる シンプルなネットワーク検索サービスである。 データベースは gdbm 形式のファイルで、 /var/yp 以下のディレクトリツリーに置かれる。
ypserv デーモンは、通常システムのスタートアップの時に起動される。 ypserv は、完全な NIS データーベースを保管する NIS サーバーマシンでのみ実行される。 NIS サービスを利用する他のマシンでは、クライアントとして ypbind を動作しさえすればよい。あるいは Linux なら NYS のサポートされた libc を用いてもよい。 ypbind は NIS クライアントプロセスの動作するすべてのマシンで起動しなければならない。 その際 ypserv の動作しているマシンは、 ネットワークの同じノードでも他のノードでもかまわないが、 必ずネットワークのどこかに存在していなければならない。 スタートアップの時や SIGHUP シグナルを受け取った時には、 ypserv は /etc/ypserv.conf ファイルを読み込み、その内容を解釈して利用する。
# allow connections from local host -- necessary
host 127.0.0.1
# same as 255.255.255.255 127.0.0.1
#
# allow connections from any host
# on the 131.234.223.0 network
255.255.255.0 131.234.223.0
# allow connections from any host
# between 131.234.214.0 and 131.234.215.255
255.255.254.0 131.234.214.0
ypserv がルールにマッチしなかったアドレスからの要求を受け取ると、 その要求は無視され、警告メッセージがログに記録される。 /var/yp/securentes ファイルが存在しない場合には、 ypserv はすべてのホストからの接続を許可する。
/etc/ypserv.conf に、特殊なマップやホストに対するアクセスルールを指定することもできる。 しかしこれは必ずしも安全ではなく、クラッカーからのアタックを多少面倒に させるだけにすぎない。 mapname がルールにマッチしないと、 ypserv はそのマップの YPSECURE キーを見る。キーが存在すれば、 ypserv は特権ポートからの要求以外を許可しない。
セキュリティ上の理由から、 ypserv はマップ更新のために用いられる ypproc_xfr 要求を、以前と同じ マスターサーバーからしか受けつけない。つまり、あるマップに対する マスターサーバを変更するには、スレーブサーバーは 再インストールする必要がある。
Network Information Service (NIS) は、以前は Sun Yellow Pages (YP). と呼ばれていた。 この両者の機能はまったく同じものであり、名前が違うだけである。 Yellow Pages という名前は、英国で British Telecommunications plc の登録商標となっており、 許可を得ずに用いることはできない。
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