無名クラスは、その場限りの使い捨てのオブジェクトが必要になった場合に便利です。
<?php
// 明示的にクラスを宣言して使う
class Logger
{
public function log($msg)
{
echo $msg;
}
}
$util->setLogger(new Logger());
// 無名クラスを使う
$util->setLogger(new class {
public function log($msg)
{
echo $msg;
}
});
コンストラクタを使って引数を渡したり、他のクラスを継承したり、 インターフェイスを実装したり、トレイトを使ったりといった、 普通のクラスと同じようなことが可能です。
<?php
class SomeClass {}
interface SomeInterface {}
trait SomeTrait {}
var_dump(new class(10) extends SomeClass implements SomeInterface {
private $num;
public function __construct($num)
{
$this->num = $num;
}
use SomeTrait;
});
上の例の出力は以下となります。
object(class@anonymous)#1 (1) { ["Command line code0x104c5b612":"class@anonymous":private]=> int(10) }
無名クラスを別のクラス内で作っても、外側のクラスの private や protected なメソッド、 およびプロパティにはアクセスできません。 外側のクラスの protected プロパティやメソッドにアクセスするには、 無名クラスに外側のクラスを継承させます。 外側のクラスの private プロパティを無名クラスで使うには、 コンストラクタでそれを渡す必要があります。
<?php
class Outer
{
private $prop = 1;
protected $prop2 = 2;
protected function func1()
{
return 3;
}
public function func2()
{
return new class($this->prop) extends Outer {
private $prop3;
public function __construct($prop)
{
$this->prop3 = $prop;
}
public function func3()
{
return $this->prop2 + $this->prop3 + $this->func1();
}
};
}
}
echo (new Outer)->func2()->func3();
上の例の出力は以下となります。
6
同じ無名クラス宣言から作ったすべてのオブジェクトは、その同じクラスのインスタンスとなります。
<?php
function anonymous_class()
{
return new class {};
}
if (get_class(anonymous_class()) === get_class(anonymous_class())) {
echo '同じクラス';
} else {
echo '違うクラス';
}
上の例の出力は以下となります。
同じクラス
注意:
無名クラスには内部的な名前が付けられていることに注意しましょう。これは次の例で確認できます。 ただこれは細部の実装上の話なので、この名前に依存するコードを書いてはいけません。
<?php
echo get_class(new class {});上の例の出力は、 たとえば以下のようになります。
class@anonymous/in/oNi1A0x7f8636ad2021