インストール
最初の手順は、Rustをインストールすることです。Rustは、Rustのバージョンと関連するツールを管理する、rustup
というコマンドラインツールを使用してダウンロードします。ダウンロードには、インターネットへの接続が必要になります。
注釈: なんらかの理由で
rustup
を使用したくない場合、Rustインストールページで、 他の選択肢をご覧になってください。
訳注:日本語版のRustインストールページはこちらです。
以下の手順で最新の安定版のRustコンパイラをインストールします。 Rustは安定性 (stability) を保証しているので、現在この本の例でコンパイルできるものは、新しいバージョンになってもコンパイルでき続けることが保証されます。 出力は、バージョンによって多少異なる可能性があります。Rustは頻繁にエラーメッセージと警告を改善しているからです。 言い換えると、どんな新しいバージョンでもこの手順に従ってインストールした安定版なら、 この本の内容で想定通りに動くはずです。
コマンドラインの記法
この章及び、本を通して、端末で使用するなんらかのコマンドを示すことがあります。読者が入力するべき行は、 全て
$
で始まります。ただし、読者が$
文字を入力する必要はありません; これは各コマンドの開始を示しているだけです。$
で始まらない行は、典型的には直前のコマンドの出力を示します。また、PowerShell限定の例には、$
ではなく、>
を使用します。
LinuxとmacOSにrustup
をインストールする
LinuxかmacOSを使用しているなら、端末(ターミナル)を開き、以下のコマンドを入力してください:
$ curl --proto '=https' --tlsv1.2 https://sh.rustup.rs -sSf | sh
このコマンドはスクリプトをダウンロードし、rustup
ツールのインストールを開始し、Rustの最新の安定版をインストールします。
パスワードを求められる可能性があります。インストールがうまく行けば、以下の行が出現するでしょう:
Rust is installed now. Great!
これに加えて、なんらかのリンカが必要になるでしょう。既にインストールされている可能性は高いものの、 Rustプログラムをコンパイルしようとした時、リンカが実行できないというエラーが出たら、 システムにリンカがインストールされていないということなので、手動でインストールする必要があるでしょう。 Cコンパイラは通常正しいリンカとセットになっています。 自分のプラットフォームのドキュメンテーションを見てCコンパイラのインストール方法を確認してください。 一般的なRustパッケージの中には、Cコードに依存し、Cコンパイラが必要になるものもあります。 ですので、Cコンパイラは今のうちにインストールしておく価値があるかもしれません。
Windowsでrustup
をインストールする
Windowsでは、https://www.rust-lang.org/tools/installに行き、手順に従ってRustをインストールしてください。 インストールの途中で、Visual Studio 2013以降用のC++ビルドツールも必要になるという旨のメッセージが出るでしょう。 ビルドツールを取得する最も簡単な方法は、Visual Studio 2019用のビルドツールをインストールすることです。 どのワークロード (workloads) をインストールするかと質問されたときは、"C++ build tools"が選択されており、Windows 10 SDKと英語の言語パック (English language pack) が含まれていることを確かめてください。
訳注:Windowsの言語を日本語にしている場合は言語パックのところで「日本語」が選択されており、そのままの設定でインストールしても基本的に問題ないはずです。しかし、サードパーティーのツールやライブラリの中には英語の言語パックを必要とするものがあるため、「日本語」に加えて「英語」も選択することをお勧めします。
これ以降、cmd.exeとPowerShellの両方で動くコマンドを使用します。 特段の違いがあったら、どちらを使用すべきか説明します。
更新及びアンインストール
rustup
経由でRustをインストールしたなら、最新版へ更新するのは簡単です。
シェルから以下の更新スクリプトを実行してください:
$ rustup update
Rustとrustup
をアンインストールするには、シェルから以下のアンインストールスクリプトを実行してください:
$ rustup self uninstall
トラブルシューティング
Rustが正常にインストールされているか確かめるには、シェルを開いて以下の行を入力してください:
$ rustc --version
バージョンナンバー、コミットハッシュ、最新の安定版がリリースされたコミット日時が以下のフォーマットで表示されるのを目撃するはずです。
rustc x.y.z (abcabcabc yyyy-mm-dd)
この情報が見られたなら、Rustのインストールに成功しています!この情報が出ず、Windowsを使っているなら、
Rustが%PATH%
システム環境変数にあることを確認してください。これらが全て正常であるのに、それでもRustがうまく動かないなら、
助力を得られる場所はたくさんあります。最も簡単なのがRustの公式Discordの#beginnersチャンネルです。そのアドレスで、助けてくれる他のRustacean (Rustユーザが自分たちのことを呼ぶ、冗談めいたニックネーム) たちとチャットできます。
他にも、素晴らしいリソースとしてユーザ・フォーラムとStack Overflowが挙げられます。
訳注1:Rustaceanについて、いらないかもしれない補足です。公式Twitter曰く、Rustaceanはcrustaceans(甲殻類)から来ているそうです。 そのため、Rustのマスコットは(非公式らしいですが)カニ。上の会話でCの欠点を削ぎ落としているからcを省いてるの?みたいなことを聞いていますが、 違うそうです。検索したら、堅牢性が高いから甲殻類という意見もありますが、真偽は不明です。 明日使えるかもしれないトリビアでした。
訳注2:上にある公式Discordは英語話者のコミュニティです。日本語話者のためのコミュニティがslackにあり、こちらでもRustaceanたちが活発に議論をしています。 公式Discord同様、初心者向けの#beginnersチャンネルが存在するので、気軽に質問してみてください。
ローカルのドキュメンテーション
インストールされたRustには、ローカルに複製されたドキュメンテーションのコピーが含まれているので、これをオフラインで閲覧することができます。
ブラウザでローカルのドキュメンテーションを開くには、rustup doc
を実行してください。
標準ライブラリにより提供される型や関数がなんなのかや、それをどう使えば良いのかがよくわからないときは、いつでもAPIのドキュメンテーションを検索してみてください!