このセクションでは MySQL サーバーの起動に関する一般的な概要を説明します。 次の数セクションでは、MySQL サーバーのコマンド行あるいは Windows のサービスとしての起動に関して、より具体的な情報を提供します。
ここでの情報は、主に noinstall
バージョンを使用して MySQL をインストールした場合、または MySQL Installer ではなく MySQL を手動で構成およびテストする場合に適用されます。
これらのセクションの例では、MySQL がデフォルトの場所の C:\Program Files\MySQL\MySQL Server 8.0
にインストールされていることを前提とします。 異なる場所に MySQL をインストールしている場合には例に示したパス名を調整してください。
クライアントには 2 つのオプションがあります。 TCP/IP が使用でき、サーバーが名前付きパイプの接続をサポートしている場合には名前付きパイプも使用できます。
MySQL for Windows では、サーバーが shared_memory
システム変数を有効にして起動されている場合、共有メモリー接続もサポートされます。 クライアントは --protocol=MEMORY
オプションを使用して共有メモリーで接続できます。
どのサーバーバイナリを実行するかについては、セクション2.3.4.3「MySQL サーバータイプの選択」 を参照してください。
テストはコンソールウィンドウ (あるいは 「DOS ウィンドウ」) のコマンドプロンプトで行います。 これにより、ウィンドウにサーバーのステータスに関するメッセージが表示されますので、容易に確認できます。 構成に何か問題があった場合には、これらのメッセージにより問題の特定と修正が容易になります。
MySQL を起動する前に、データベースを初期化する必要があります。 初期化プロセスの詳細は、セクション2.10.1「データディレクトリの初期化」 を参照してください。
サーバーを起動するには、次のコマンドを入力します。
C:\> "C:\Program Files\MySQL\MySQL Server 8.0\bin\mysqld" --console
InnoDB
サポートを含むサーバーでは、次のようなメッセージがサーバーの起動時に表示されます (パス名とサイズは異なる場合があります)。
InnoDB: The first specified datafile c:\ibdata\ibdata1 did not exist:
InnoDB: a new database to be created!
InnoDB: Setting file c:\ibdata\ibdata1 size to 209715200
InnoDB: Database physically writes the file full: wait...
InnoDB: Log file c:\iblogs\ib_logfile0 did not exist: new to be created
InnoDB: Setting log file c:\iblogs\ib_logfile0 size to 31457280
InnoDB: Log file c:\iblogs\ib_logfile1 did not exist: new to be created
InnoDB: Setting log file c:\iblogs\ib_logfile1 size to 31457280
InnoDB: Log file c:\iblogs\ib_logfile2 did not exist: new to be created
InnoDB: Setting log file c:\iblogs\ib_logfile2 size to 31457280
InnoDB: Doublewrite buffer not found: creating new
InnoDB: Doublewrite buffer created
InnoDB: creating foreign key constraint system tables
InnoDB: foreign key constraint system tables created
011024 10:58:25 InnoDB: Started
サーバーが起動シーケンスを終了すると、次のようなメッセージが表示されます。このメッセージが表示されると、サーバーのクライアント接続の用意が整ったことを意味します。
mysqld: ready for connections
Version: '8.0.29' socket: '' port: 3306
サーバーは、診断を生成して出力をコンソールに書き込み続けます。 クライアントプログラムを実行する新しいコンソールウィンドウを開くことができます。
--console
オプションを省略すると、サーバーは診断の出力をデータディレクトリ (デフォルトでは C:\Program Files\MySQL\MySQL Server 8.0\data
) のエラーログに出力します。 エラーログは、.err
拡張子の付いたファイルで、--log-error
オプションを使用して設定できます。
MySQL 付与テーブルの初期 root
アカウントにはパスワードがありません。 サーバーの起動後、セクション2.10.4「初期 MySQL アカウントの保護」 の手順を使用してパスワードを設定する必要があります。