MySQL 8.0 リファレンスマニュアル


2.9.2 ソースインストールの前提条件

MySQL をソースからインストールするためには、いくつかの開発ツールが必要です。 これらのツールの一部は、標準ソース配布または開発ソースツリーのいずれを使用するかにかかわらず必要です。 その他のツールは、どちらのインストール方法を使用するかによって必要かどうかが決まります。

ソースから MySQL をインストールするには、インストール方法に関係なく、次のシステム要件を満たす必要があります:

  • CMake。これはすべてのプラットフォームでビルドフレームワークとして使用されます。 CMakehttp://www.cmake.org からダウンロードできます。

  • 優良な make プログラム。 一部のプラットフォームには独自の make 実装が付属していますが、GNU make 3.75 以上を使用することを強くお薦めします。 これは、使用しているシステムですでに gmake として使用可能になっている場合があります。 GNU make は、http://www.gnu.org/software/make/ から入手可能です。

  • MySQL 8.0 ソースコードでは、C++14 機能を使用できます。 サポートされているすべてのプラットフォームで適切なレベルの C++14 サポートを有効にするには、次の最小コンパイラバージョンが適用されます:

    • GCC 5.3 (Linux)

    • Clang 4.0 (FreeBSD)

    • XCode 9 (macOS)

    • Developer Studio 12.6 (Solaris)

    • Visual Studio 2017 (Windows)

  • MySQL C API をコンパイルするには、C++ または C99 コンパイラが必要です。

  • SSL ライブラリは、暗号化された接続、乱数生成のエントロピ、およびその他の暗号化関連の操作をサポートするために必要です。 デフォルトでは、ビルドはホストシステムにインストールされている OpenSSL ライブラリを使用します。 ライブラリを明示的に指定するには、CMake の起動時に WITH_SSL オプションを使用します。 追加情報については セクション2.9.6「SSL ライブラリサポートの構成」を参照してください。

  • Boost C++ ライブラリは、MySQL をビルドするために必要です (ただし、使用するためには必要ありません)。 MySQL コンパイルには、特定の Boost バージョンが必要です。 通常、これは現在の Boost バージョンですが、特定の MySQL ソース配布に異なるバージョンが必要な場合、構成プロセスは停止し、必要な Boost バージョンを示すメッセージが表示されます。 Boost とそのインストール手順については、「公式サイト」を参照してください。 Boost のインストール後、CMake の起動時に WITH_BOOST オプションを定義して、Boost ファイルが配置されている場所をビルドシステムに通知します。 例:

    cmake . -DWITH_BOOST=/usr/local/boost_version_number

    必要に応じて、インストールに合わせてパスを調整します。

  • ncurses ライブラリ。

  • 十分な空きメモリー。 大きなソースファイルのコンパイル時に「内部コンパイラエラー」などの問題が発生した場合は、メモリーが少なすぎる可能性があります。 仮想マシンでコンパイルする場合は、メモリー割当てを増やしてみてください。

  • テストスクリプトを実行する場合は、Perl が必要です。 ほとんどの Unix 類似システムには Perl が含まれます。 Windows では、ActiveState Perl などのバージョンが使用できます。

MySQL を標準ソース配布からインストールするには、配布ファイルをアンパックするために次のツールのいずれかが必要です。

  • .tar.gz で圧縮された tar ファイルの場合: 配布を圧縮解除するための GNU gunzip、およびそれをアンパックするための妥当な tar。 使用している tar プログラムが z オプションをサポートする場合は、ファイルの展開とアンパックの両方を実行できます。

    GNU tar が機能することが知られています。 一部のオペレーティングシステムで提供される標準の tar は、MySQL 配布内の長いファイル名をアンパックできません。 GNU tar をダウンロードしてインストールするか、プリインストールバージョンの GNU tar が利用可能であればそれを使用します。 通常、これは gnutargtar、または tar という名前です (/usr/sfw/bin または /usr/local/bin などの GNU または Free Software ディレクトリ内)。 GNU tar は、http://www.gnu.org/software/tar/ から入手可能です。

  • .zip Zip アーカイブの場合: WinZip または .zip ファイルを読み取ることができるその他のツール。

  • .rpm RPM パッケージの場合: 配布のビルドに使用される rpmbuild プログラムでアンパックできます。

MySQL を開発ソースツリーからインストールするには、次の追加ツールが必要です。

  • 開発ソースコードを取得するには、Git リビジョン管理システムが必要です。 「GitHub ヘルプ」では、様々なプラットフォームで Git をダウンロードしてインストールする手順を示します。 MySQL は、2014 年 9 月に正式に GitHub に参加しました。 MySQL の GitHub への移動の詳細は、MySQL Release Engineering ブログ MySQL on GitHub のお知らせを参照してください。

  • http://www.gnu.org/software/bison/ から入手可能な bison 2.1 以上。 (バージョン 1 はサポートされなくなりました。) 可能であれば bison の最新バージョンを使用します。問題が生じた場合は、以前のバージョンに戻るのではなく、より新しいバージョンにアップグレードします。

    bison は、http://www.gnu.org/software/bison/ から入手可能です。bison for Windows は、http://gnuwin32.sourceforge.net/packages/bison.htm からダウンロードできます。 Complete package, excluding sources のラベルのパッケージをダウンロードします。 Windows では、bison のデフォルトの場所は C:\Program Files\GnuWin32 ディレクトリです。 ディレクトリ名にスペースが含まれるため、一部のユーティリティーでは bison を検索できない場合があります。 また、パスにスペースがある場合 Visual Studio がフリーズすることがあります。 これらの問題は、空白を含まないディレクトリ (C:\GnuWin32 など) にインストールすることで解決できます。

  • Solaris Express では、bison に加えて m4 をインストールする必要があります。m4http://www.gnu.org/software/m4/ から入手できます。

注記

プログラムをインストールする必要がある場合は、PATH 環境変数を、プログラムが置かれるディレクトリを含むように変更します。 セクション4.2.9「環境変数の設定」を参照してください。

問題が発生してバグをレポートする必要が生じた場合には、セクション1.6「質問またはバグをレポートする方法」 の手順に従ってください。


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