myisampack ユーティリティーは MyISAM
テーブルを圧縮します。myisampack は、テーブルの各カラムを独立して圧縮することによって機能します。 通常、myisampack はデータファイルを 40% から 70% パックします。
テーブルがあとで使用される場合、カラムの解凍に必要な情報をサーバーがメモリー内に読み取ります。 これにより、個々の行をアクセスする際のパフォーマンスが大幅に向上します。これは、圧縮解除しなければならないのは 1 つの行のみであるためです。
MySQL は、圧縮されたテーブルでメモリーのマッピングを行う場合に、可能であれば mmap()
を使用します。 mmap()
が機能しない場合、MySQL は普通のファイル読み取り/書き込み操作に戻ります。
次の点に注意してください。
mysqld サーバーが外部ロックが無効化された状態で起動された場合、パック処理の最中にサーバーによってテーブルが更新される可能性がある場合は、myisampack の起動は推奨されません。 サーバーが停止している状態でテーブルを圧縮するのがもっとも安全です。
テーブルは、パック後に読み取り専用になります。 通常これは意図されたものです (CD 内のパックされたテーブルにアクセスする場合など)。
myisampack はパーティション化されたテーブルをサポートしません。
myisampack は次のように起動します。
shell> myisampack [options] file_name ...
各ファイル名引数はインデックス (.MYI
) ファイルの名前にしてください。 データベースディレクトリ内にいない場合、ファイルへのパスを指定するようにしてください。 .MYI
拡張子は省略可能です。
myisampack でテーブルを圧縮した後、myisamchk -rq を使用してインデックスを再構築します。セクション4.6.4「myisamchk — MyISAM テーブルメンテナンスユーティリティー」。
myisampack は次のオプションをサポートします。 また、オプションファイルを読み取り、セクション4.2.2.3「オプションファイルの処理に影響するコマンド行オプション」に説明されている、それらを処理するためのオプションもサポートします。
-
ヘルプメッセージを表示して終了します。
-
という名前を使用して、各テーブルのデータファイルのバックアップを作成します。tbl_name
.OLD -
文字セットがインストールされているディレクトリ。 セクション10.15「文字セットの構成」を参照してください。
-
--debug[=
,debug_options
]-# [
debug_options
]デバッグのログを書き込みます。 一般的な
debug_options
文字列はd:t:o,
です。 デフォルトはfile_name
d:t:o
です。このオプションは、MySQL が
WITH_DEBUG
を使用して構築された場合にのみ使用できます。 Oracle によって提供される MySQL リリースバイナリは、このオプションを使用して構築されません。 -
パックされたテーブルが元のテーブルより大きくなる場合や、以前に myisampack を呼び出した際の中間ファイルが存在する場合でも、パックされたテーブルを生成します (myisampack はテーブルの圧縮中に、
という名前の中間ファイルをデータベースディレクトリに作成します。 myisampack を強制終了した場合、tbl_name
.TMD.TMD
ファイルは削除されないことがあります。) 通常、myisampack は
が存在することを検出すると、エラーで終了します。tbl_name
.TMD--force
を使用すると、myisampack は必ずテーブルをパックします。 -
--join=
,big_tbl_name
-j
big_tbl_name
コマンド行で指名されたすべてのテーブルを、単一のパックされたテーブル
big_tbl_name
に結合します。 結合されるすべてのテーブルは、必ずまったく同一の構造でなければなりません (同一カラム名、型、同一インデックスなど)。結合操作の前に、
big_tbl_name
が存在していなければなりません。 コマンド行で指名されbig_tbl_name
にマージされるすべてのソーステーブルが存在していなければなりません。 ソースのテーブルは結合のために読み取られますが、変更はされません。 -
サイレントモード。 エラーが発生したときのみ出力を書き出します。
-
実際にテーブルをパックせず、パックのテストのみを実行します。
-
--tmpdir=
,dir_name
-T
dir_name
指名されたディレクトリを、myisampack が一時ファイルを作成する場所として使用します。
-
冗長モード。 パック操作の進行状況とその結果に関する情報を書き込みます。
-
バージョン情報を表示して終了します。
-
テーブルが使用中の場合、待機してから再度試みます。 mysqld サーバーが外部ロックが無効化された状態で起動された場合、パック処理の最中にサーバーによってテーブルが更新される可能性がある場合は、myisampack の起動は推奨されません。
次のコマンドシーケンスは典型的なテーブル圧縮セッションを表しています。
shell> ls -l station.*
-rw-rw-r-- 1 jones my 994128 Apr 17 19:00 station.MYD
-rw-rw-r-- 1 jones my 53248 Apr 17 19:00 station.MYI
shell> myisamchk -dvv station
MyISAM file: station
Isam-version: 2
Creation time: 1996-03-13 10:08:58
Recover time: 1997-02-02 3:06:43
Data records: 1192 Deleted blocks: 0
Datafile parts: 1192 Deleted data: 0
Datafile pointer (bytes): 2 Keyfile pointer (bytes): 2
Max datafile length: 54657023 Max keyfile length: 33554431
Recordlength: 834
Record format: Fixed length
table description:
Key Start Len Index Type Root Blocksize Rec/key
1 2 4 unique unsigned long 1024 1024 1
2 32 30 multip. text 10240 1024 1
Field Start Length Type
1 1 1
2 2 4
3 6 4
4 10 1
5 11 20
6 31 1
7 32 30
8 62 35
9 97 35
10 132 35
11 167 4
12 171 16
13 187 35
14 222 4
15 226 16
16 242 20
17 262 20
18 282 20
19 302 30
20 332 4
21 336 4
22 340 1
23 341 8
24 349 8
25 357 8
26 365 2
27 367 2
28 369 4
29 373 4
30 377 1
31 378 2
32 380 8
33 388 4
34 392 4
35 396 4
36 400 4
37 404 1
38 405 4
39 409 4
40 413 4
41 417 4
42 421 4
43 425 4
44 429 20
45 449 30
46 479 1
47 480 1
48 481 79
49 560 79
50 639 79
51 718 79
52 797 8
53 805 1
54 806 1
55 807 20
56 827 4
57 831 4
shell> myisampack station.MYI
Compressing station.MYI: (1192 records)
- Calculating statistics
normal: 20 empty-space: 16 empty-zero: 12 empty-fill: 11
pre-space: 0 end-space: 12 table-lookups: 5 zero: 7
Original trees: 57 After join: 17
- Compressing file
87.14%
Remember to run myisamchk -rq on compressed tables
shell> myisamchk -rq station
- check record delete-chain
- recovering (with sort) MyISAM-table 'station'
Data records: 1192
- Fixing index 1
- Fixing index 2
shell> mysqladmin -uroot flush-tables
shell> ls -l station.*
-rw-rw-r-- 1 jones my 127874 Apr 17 19:00 station.MYD
-rw-rw-r-- 1 jones my 55296 Apr 17 19:04 station.MYI
shell> myisamchk -dvv station
MyISAM file: station
Isam-version: 2
Creation time: 1996-03-13 10:08:58
Recover time: 1997-04-17 19:04:26
Data records: 1192 Deleted blocks: 0
Datafile parts: 1192 Deleted data: 0
Datafile pointer (bytes): 3 Keyfile pointer (bytes): 1
Max datafile length: 16777215 Max keyfile length: 131071
Recordlength: 834
Record format: Compressed
table description:
Key Start Len Index Type Root Blocksize Rec/key
1 2 4 unique unsigned long 10240 1024 1
2 32 30 multip. text 54272 1024 1
Field Start Length Type Huff tree Bits
1 1 1 constant 1 0
2 2 4 zerofill(1) 2 9
3 6 4 no zeros, zerofill(1) 2 9
4 10 1 3 9
5 11 20 table-lookup 4 0
6 31 1 3 9
7 32 30 no endspace, not_always 5 9
8 62 35 no endspace, not_always, no empty 6 9
9 97 35 no empty 7 9
10 132 35 no endspace, not_always, no empty 6 9
11 167 4 zerofill(1) 2 9
12 171 16 no endspace, not_always, no empty 5 9
13 187 35 no endspace, not_always, no empty 6 9
14 222 4 zerofill(1) 2 9
15 226 16 no endspace, not_always, no empty 5 9
16 242 20 no endspace, not_always 8 9
17 262 20 no endspace, no empty 8 9
18 282 20 no endspace, no empty 5 9
19 302 30 no endspace, no empty 6 9
20 332 4 always zero 2 9
21 336 4 always zero 2 9
22 340 1 3 9
23 341 8 table-lookup 9 0
24 349 8 table-lookup 10 0
25 357 8 always zero 2 9
26 365 2 2 9
27 367 2 no zeros, zerofill(1) 2 9
28 369 4 no zeros, zerofill(1) 2 9
29 373 4 table-lookup 11 0
30 377 1 3 9
31 378 2 no zeros, zerofill(1) 2 9
32 380 8 no zeros 2 9
33 388 4 always zero 2 9
34 392 4 table-lookup 12 0
35 396 4 no zeros, zerofill(1) 13 9
36 400 4 no zeros, zerofill(1) 2 9
37 404 1 2 9
38 405 4 no zeros 2 9
39 409 4 always zero 2 9
40 413 4 no zeros 2 9
41 417 4 always zero 2 9
42 421 4 no zeros 2 9
43 425 4 always zero 2 9
44 429 20 no empty 3 9
45 449 30 no empty 3 9
46 479 1 14 4
47 480 1 14 4
48 481 79 no endspace, no empty 15 9
49 560 79 no empty 2 9
50 639 79 no empty 2 9
51 718 79 no endspace 16 9
52 797 8 no empty 2 9
53 805 1 17 1
54 806 1 3 9
55 807 20 no empty 3 9
56 827 4 no zeros, zerofill(2) 2 9
57 831 4 no zeros, zerofill(1) 2 9
myisampack は次の種類の情報を表示します。
-
normal
追加のパックが使用されていないカラムの数。
-
empty-space
スペースのみの値を含むカラムの数。 これらは 1 ビットを占めます。
-
empty-zero
バイナリのゼロのみの値を含むカラムの数。 これらは 1 ビットを占めます。
-
empty-fill
それぞれの型のバイト範囲をすべて占領しない整数カラムの数。 これらはより小さい型に変更されます。 たとえば、
BIGINT
カラム (8 バイト) のすべての値が-128
から127
の範囲内にある場合は、このカラムをTINYINT
カラム (1 バイト) として格納できます。 -
pre-space
先頭にスペースが付いて保存されている 10 進数カラムの数。 この場合、各値は先頭のスペースの数のカウントを含んでいます。
-
end-space
後続のスペースを多く含むカラムの数。 この場合、各値は後続のスペースの数のカウントを含んでいます。
-
table-lookup
カラムには少数の異なる値のみがあり、ハフマン圧縮の前に
ENUM
に変換されました。 -
zero
すべての値がゼロのカラムの数。
-
Original trees
もともとのハフマンツリーの数です。
-
After join
ヘッダースペースを節約するため、ツリーの結合のあとに残った異なるハフマンツリーの数。
テーブルの圧縮後、myisamchk -dvv が表示する Field
行には、各カラムに関する追加情報が含まれます。
-
Type
データ型。 この値は次のいずれかのディスクリプタを含むことがあります。
-
constant
すべての行は同じ値を持っています。
-
no endspace
エンドスペースを保存しません。
-
no endspace, not_always
エンドスペースを保存せず、またすべての値にエンドスペース圧縮を行いません。
-
no endspace, no empty
エンドスペースを保存しません。 空の値を保存しません。
-
table-lookup
カラムは
ENUM
に変換されました。 -
zerofill(
N
)値の中の最上位の
N
バイトは常に 0 であり、保存されません。 -
no zeros
ゼロを保存しません。
-
always zero
ゼロ値は 1 ビットを使用して保存されます。
-
-
Huff tree
カラムに関連しているハフマンツリーの数。
-
Bits
ハフマンツリーで使用されているビット数。
myisampack を実行した後、myisamchk を使用してインデックスを再作成します。 このとき、MySQL オプティマイザの動作効率化を図るために、インデックスブロックのソートと統計の作成を行うことができます。
shell> myisamchk -rq --sort-index --analyze tbl_name.MYI
パックされたテーブルを MySQL データベースディレクトリにインストールしたあと、mysqld が新しいテーブルを使用することを強制するため、mysqladmin flush-tables を実行するようにしてください。
パックされたテーブルをアンパックするには、myisamchk に対して --unpack
オプションを使用してください。